イギリスのウェブサイトでFAR OUTで宮剤駿監督のお気に入り映画が公開されいます。
https://faroutmagazine.co.uk/hayao-miyazaki-10-favourite-films/
この作品群は宮崎駿監督が過去に発言した事などを元に選出されています。
- ジョーズ(1975年)
- 荒野の決闘(1946年)
- ミツバチのささやき(1973年)
- 河内山宗俊(1936年)
- 雪の女王』(1957年)
- 灰とダイヤモンド(1958年)
- 誓いの休暇(1959年)
- 七人の侍』(1954年)
- やぶにらみの暴君(1952年)
- 血煙高田の馬場(1937年)
この中で一番気になる映画がこちら。
『ミツバチのささやき』
今から約30年前にVHS(ビデオテープ)で観た作品です。
当時は、ゴダールとかトリフォーとかそういう難解な映画を明け方まで見ているような学生でした。
ひたすらに映画漬け!
本作も夜も明けようとする時間に見ていた思います。
完全にストーリーは忘れましたが、唐突なエンディングに驚いたことのみ記憶しています。
そして、宮崎駿監督に影響を与えた作品とうことで再視聴することに。
事前に仕入れた知識は、子役の演技が凄い、スペイン内戦後の傷を表現してる事、絵が美しい、意味がわかなくてもストーリーを追わず最後まで見た方がいいということ。
スペインの歴史や風土の知識は全くと言っていいほどありません。
物語はトラックが映画を運んでくる所から始まります。
フィルム缶を運ぶ興行主。
子供たちは大はしゃぎ!その缶を映画の缶詰と表現する子供もいたり。
街の公民館で上映される映画に大人も子供も釘付けです。
筆者の子供時代もこども映画上映会なるものが企画され、夏休みは必ず見にいっていた事の記憶が蘇ってきました。
当時は家庭用ビデオも普及して無く、ホームシアターなど発想も出来ない時代。
近所で大画面で皆んなで見る映画は特別な娯楽でした。
話は映画に戻ります。
公民館で上映される映画は「フランケンシュタイン」
モノクロフィルムのフランケンシュタインが少女と出会い花を摘んで遊んでいます。
この後、この少女は殺されてフランケンシュタインも殺されます。
ここで、この映画の主人公アナが口初めて口を開きます。
「何故、二人とも殺されたの?」
フランケンシュタイに恍惚となっていく少女「アナ」、それを見る観客は彼女から目を離せなくなってしまいます。
あまりにも純粋な瞳に吸い込まれてしまうのです。
フランケンシュタインが出るからと言って、本編がホラー映画という訳ではありません。
ですが、画面に現れる陰影や凄く美しい映像が非常に怖い。
そのなんとも言えない雰囲気に、シーンが変わる度に胸がドキドキしてしまいます。
(苦しい・・・・・。でも画面は美しい)。
こんな映画体験は初めてです。
田舎街の広陵とした寂しい風景、線路、駅、部屋、絵画、登場するシーンは、全部がシネライクで美しく、全編ポストカード見たいです。
まさに、映画の缶詰にそれらを、生のまま詰め込んで空気も何も全部閉じ込めシールで閉じたような作品なのです。
一人の逃亡者をフランケンシュタインに重ねる少女アナ。
その交流にハッとさせれます。
現実と非現実が危うく重ねあう、子供の時代。
観客は、夢と現実の境界がひどく曖昧な子供時代を、アナの何処までも深く純真で遠くを見通せる目線で追体験することなります。
それは、実に神秘的で小さな囁きですが心の深い見えない部分に突き刺さります。
実はこの作品を見ている娘も視聴。
アナが可愛く、エンディングの震える演技が凄いと絶賛していました。
そして、最初から見たいという希望で私はそのまま2回目を視聴。
こんなの、初めての経験です。
今終わった映画をまた、最初から連続視聴。
でも、2回連続なのに、、、、
普通に見られる!
さっき見た時とは印象が違う。
何なんだ、一体。
この映画、、、、、、、、、、
などと、このブログを書いている間も、印象的な汽車のシーンが頭を過ります。
そして、最後に一つだけ書かせて下さい。
この建物・・・。
この雰囲気。。・・。
千と千尋神隠しに出てきたゼニーバの家じゃないか!!!!!!
右に井戸がありますが、この上の歯車のとこ、見ようによっては「道案内カンテラ」に見えます。
そう言えば、そうでしょ。