金曜ロードショーで『ハウルの動く城』が放映されます。
2023年1月6日(2023.1.6 よる9時〜11時29分放送)
そこで、ハウルの動く城を別の角度から考察していこうと思いましす。
この物語、魔法世界の理(ルール)に則った上で物語が進行していきます。
その世界では、言葉や契約が重要な意味を持っています。
火の悪魔カルシファーもハウルとの契約で城を動かしています。
魔法や呪いは自然の理として発動し絶対的な拘束力を持っています。
(現代社会の法律や契約など人的な物で縛るのではなく、雷・雨・風などと同様に自然現象と同様の力で縛られるので逃れようがありません。)
悪魔と契約するとはそういう事だし、魔法とはそういう物なのでしょう。
映画の世界では、魔法(精神的)と化学(物理的)が共に存在する世界。
そこで、国同士の戦い(戦争)と同じ時間軸で魔法使い同士の戦いが描かれています。
その描写で怖い箇所がいくつつか存在するのです。
なんせ、この人が怖い!!
【サリマン先生】(以下サリマン)
この人に比べれたら、荒地の魔女など可愛いものです。
↓荒地の魔女
荒地の魔女もサリマン同様に王室に支えていた優秀な魔女です。
ですが、悪魔と取引して長い間身も心も喰いつくされてしまったとサリマンは語っています。
そんな、荒地の魔女の魔力を無効にする魔法。
これが凄く怖い。
化学と魔法のハイブリットな術をかけるんですが、、、
この描写がヤバイ!
荒地の魔女を嘘で呼び出し、一人にします。
そして、巨大なフィラメント電球の強烈な光で目眩しを行い魔法も発動!
(ここで作動スイッチが押されるんですが凄く嫌、マッドサイエンティスト。)
そして、床から現れる黒いマンダラケ人間(精霊)。
絵コンテでは「カゴメカゴメとまわりはじめる」と書かれています。
これにより、荒地の魔女は魔力を失ってしいまいます。
この一連のカットがめちゃくちゃ怖い。
何故こんな事をしているかと言えば、戦時中に如何わしい魔女や魔法使いを野放しにできないというのが理由です。
ここでいう如何わしいは「自国の戦争に協力しない」「扱いづらい」「魔力が強くて自分の脅威になる」などを内含してると推察されまます。
そして、ハウルもサリマンの言う。
如何わしい魔法使いという事で、サリマンの魔法攻撃を受ける事となります。
この時は「ながれ星の子」という精霊が使役されますが、宮崎駿監督が書いたイメージボードには怖い事が書かれています。
「ほっといて、ほっといて、ぼくにさわらないで、死にたいのに」
映画のシーンではながれ星の子が異様なBGMと共にカゴメカゴメをしています。
ここだけ、魔法少女マギカまどかのワルプルギスの夜のような感じです。
流れ星が沢山ながれるので、絵的に凄く美しくハッとするんですが、、、
「ほっといて、ほっといて、ぼくにさわらないで、死にたいのに」
こんな事を言われながら、カゴの中の鳥になるなんて嫌すぎる。。。。。
それらを乗り越えて、全てを丸くハッピーエンドに導いたのは、ソフィーの魔法!
ソフィーは時を超えて少年時代のハウルとカルシファーの契約に立ち会う事になります。
先で述べた「流れ星の子」地上に落ちると消えてしまうという運命が待っています。
ハウルはそれを拾い上げ契約する事で、流れ星の子は消滅せずに「カルシファー」として誕生します。※このため、カルシファーは契約がなくなると消えてしまいます。
そこで、ソフィーが彼らに伝えた事。
「ハウル、カルシファーーーーー」
「私はソフィー 待ってて
私、きっといくから」
「未来でまってて」
そして、その通りオープニングで彼らは出会うとこになりました。
ソフィー「心臓をハウルに返したら、あなたは死んじゃうの」
カルシファー「ソフィーなら平気だよ、多分オイラに水をかけてもオイラもハウルも死ななかったから」
(この時点でカルシファーはソフィーの特別な能力に気づいていたのでしょう。)
「言霊の力」
そして、ソフィーはハウルに心臓を戻します。
「どうかカルシファーが千年も生きハウルが心を取り戻しますように」
そして、物語はハッピーエンドを迎えます。
ただ、これで全てが解決したかと言うと、そうではありません。
絵コンテでこのラストカットの前に宮崎駿監督は注釈をつけていました。
「とはいえ、戰はすぐにはおわらない。」
「雲の下をとぶ爆連船の群」
「かがやく白い雲の峰 その上をパタパタとソフィーとハウルの城が飛んでいる」
ばかげた戦争ですが、サルマンの一言で終わらせるほど簡単じゃない事はご都合主義や御伽噺では無く本作にリアルを与えより深い物にしていると思います。
10代で見る時、20代で見る時、30代で見る時、40代で見る時・・・。
同じ人が視聴しても見た時の年代により随分感想が変わってくる、見れば見るほど深みを増していく傑作!
全てが素晴らしすぎる作品、「ハウルの動く城」1月6日の金曜ロードショーで魔法と化学の並行する世界の理(ことわり)を体験して下さい。