まさかのアナログ盤リリース。
槇原敬之のファーストアルバムがレコード盤で発売。
90年に発売されたアルバムです。
私にとっては正にオンタイムで聴いた曲。
音楽カルチャーなどほど遠い田舎の高校生でしたが、このアルバムには何度も泣きそうになりました。
都会の冬の情景が怖いくらいに美しく描写されていて、憧れと共にこのアルバムを何度も聴いた事を記憶しています。
アートワークのセンスも抜群!!
ピチカートファイブやフリッパーズギターのアートワーク行った信藤三雄氏。
この切り絵のジャケット本当にお洒落です。
これが、LPレコードサイズで手に入ります。
これだけで満足してしまいそうです。
このアルバムが発表された時はシティポップ全勢のミュージックシーンから渋谷発のポップカルチャーやストリートミュージックの移行時期だったと思います。
敬愛するフリッパーズギターのデビューが1987年、カヒミカリィが91年でデビュー。
そんな折にリリースされたシンガーソングライター槇原敬之の1st.
今、聴いて思ったんですが凄く安定感があって安心して聴く事ができます。
棘や風刺や時代などへのメッセージが無しで、あるのは普遍的な個人の生活や恋愛模様。
一見するとつまらないように思ってしまいますが、ここにあるのは美しすぎる言葉の連鎖で感動を呼び起こしてしまう魔法です。
日常の生活を最高の描写で描くリリック!!に感嘆するはずです。
楽曲はシティポップに独自の音楽スタイルを被せている。
本当に音楽シーンの過渡期の作品である事が良く分かります。
前記しましたが、このアルバムの安定感の理由。
バブル経済も終焉に向かいつつありましたが、その頃の日本だから成立したアルバムだからこそ作りえた音楽であると言えます。
物価上昇、賃上げ、戦争、グローバル経済、サプライチェーン。
そんな不安要素は無縁に近く、ただただ明日が良くなった時代。
混迷する世界の中で、このアルバムを聴くとなにか大事だった事。
忘れてしまっていた事。
さよならした沢山の事を思い出します。
90年代の傑作レコード!
2024年の冬に、もう一度何かを取り戻させてくれる楽曲が詰まっています。
(2枚組)
収録曲より抜粋
『Anser』
『NG』
『北風』