再販が待ち待たれたレコード。
小沢健二の傑作アルバム『LIFE』のアナログ盤が再販されました。
本作は94年8月31にCDがリリース、翌9月にアナログ盤がリリースされました。
当時は、CD全勢の時代に突入しており国内アーティストのアナログ盤の発売はメジャーレーベルでは異例でした。
CDは発売日当日に購入。
アナログ盤は渋谷のHMVで購入。
(当時は音楽好きの友人、南君に付き合ってレコ屋巡りをしていたのいで、目ざとく見つけました。)
(94年リリースアナログ盤)
CDが2,800円でアナログ盤が3,000円って今では信じられない価格差です。
200円アップでレコードが買えるなんて信じられない。
レコードの袋がライナーノーツになっていました。
(裏面に歌詞が掲載されています。)
このレコードは希少でネット取引額2~3万円程度となっていうます。
ですが、それもここまで!!
新品が手に入る事になり、多くの方にこの音源が届く事が心から嬉しく思います。
(私は嬉しすぎて3枚購入しました。)
小沢健二の音楽(前期)
90年代に渋谷系という音楽ムーブメントが起こり、小沢健二もその一員としての受け止めがあったからこそのアナログ化だったのではないかと思います。
渋谷系とは、レコード店が多く集まる渋谷から発信された音楽で渋谷系のアーティストは過去の音源(実に様々なジャンルの音楽)から、新たに音楽を再構築して新しい楽曲を作っていくとうスタイルを取っていました。
その渋谷系の代表格は『フリッパーズギター』小沢健二と小山田圭吾のバンドでした。
ファーストアルバム(THREE CHEERS FOR OUR SIDE)発表時は5人編成でネオアコスタイルのバンドで、アズテックカメラなどの影響を色濃く受けていました。
セカンドアルバム以降は2人となります。
セカンドアルバム「CAMERA TALK」は「恋とマシンガン」がドラマ主題歌となりスマッシュヒット。
サードアルバムでは、サンプリングを多様した後の小山田圭吾のユニット(Cornelius)コーネリアスの前身のような音作りがなされています。
本作では、哲学的で文学的な「銀河鉄道の夜」を彷彿とさせる小沢健二の詩世界が爆発しています。
そんな、フリッパーズギターも解散。
当時の僕達は恋の三角関係で解散した説を本気で信じていました。
(ファンの間では渡辺満里奈説がありました。)
フリッパーズギター解散後、1年のブランクを経て稀代の名作がリリースされます。
1993年9月「犬は吠えるがキャラバンは進む」
このアルバムほど聴き込んだものはありません。
凄くシンプルで音数が少ないと思ったのが最初の印象でしたが、聴けば聴くほどやみつきになる楽曲ばかりです。
全編素晴らしいのですが、特に「天使たちのシーン」は毎年夏の終わりに何度も何度も聞いています。
(泣ける)(救われる)(癒される)
私にとってこの曲はパンドラの箱を開けて、最後に残っていた希望のような光が見えちゃいます。
『ぜび、本作のアナログ化をお願いします。』
20代の頃は、ほぼ毎晩このCD(犬キャラ)を聞いていました。
落ち着いた雰囲気の曲や語り口は大都会(東京)の生活の癒やしで、大都市もそこで出会う多くの人も好きになる事ができました。
人混みも、混雑も、並ぶのも、ハチ公前も新宿東口も、夜の渋谷で光のシャワーを浴びて公園通りの暗闇を抜けて原宿まで歩くのも、暮らした下北沢も、彼女がいた街(横浜)も葛西臨海公園も東京タワーも、雨に濡れずに移動できる地下も、神宮公園も新宿公園も西武線の寂れた駅も、深夜の井の頭公園も、人気の無さに焦った西武遊園地も何もかもが輝いていたし、全部が全部素晴らしく思えました。
それも全部がこの「小沢健二」の楽曲との出会いのおかげだと思います。
そして、当時超絶音楽マニアだった友人(南くん)に教えて貰った、世界中の音楽のおかげで
正直、このアルバムと出会わなかったら都会無理でした。
ありがとう、「オザケン」!!
色々と救われました!!
アルバムLIFE
そして、ついにアルバムLIFEの発売。
それまでとは一線を画する突き抜けた音楽。
「これ本当に小沢健二なのか?」
ストリングスの効いた、ポップで気持ちい楽曲。
「!!!!!!!」
「???????」
フリッパーズギターから聞いているファンとしては、理解できませんでした。
気持ちと理解が追いつかない。。。。。。
なんなんだ、これは、、、、いったい。
とは言え、一周聞いてみると、もう一度聞いてみたいとなる。
最強な能天気さの中に何かを隠してある。
歌詞を全面に押し出した楽曲と突き抜けるストリングの心地よさ・・・
フォーンセッションとベースライン・・・・
なんか、もう全部放り投げたくなる世界が違ってみえる。
未だに、こんなアルバムは存在しえません。
もう一度、世界を信じたくなる!!
アルバムを聴くと、いつだって世界の見え方が違っています。
美しい情景描写と共に全力で肯定され続けていく世界や人。
それに、嘘が無い!!
いや、嘘が入り込む隙間が無い。
それは、小沢健二の祈りと願いが綴られているからなのか?
ともかく、このアルバムを聴く度に心が洗われていく気がします。
ジブリ映画の紅の豚のポルコロッソが言ったセリフにこうゆうのがあります。
ポルコ「信じる、か……デエキレエな言葉だが、お前が言うと違って聞こえてくるぜ。」
凄く綺麗なありえない世界しか歌ってないけど本当に思えてくる。
そんな、凄い凄すぎるアルバム。
そこには、表面上の歌詞に隠された(犬キャラ)の天使たちのシーンの思想みたいな物がアルバム通して散りばめられているらでしょう。
何か温かい手で触れらたような気持ちになる、詩人小沢健二の大傑作アルバム。
CD音源も配信もレコードも何で聞いても素晴らしいです。
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1. 愛し愛されて生きるのさ
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2.ラブリー
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3.東京恋愛専科 または恋は言ってみりゃボディー ブロー
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4.いちょう並木のセレナーデ
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5.ドアをノックするのは誰だ?
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6.今夜はブギー バック
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7.ぼくらが旅に出る理由
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8.おやすみなさい,仔猫ちゃん
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9.いちょう並木のセレナーデ
『復刻アナログ盤LIFE』
旧アナログ盤との比較レビューです。
それは、アルバムを手に取った瞬間に解るしハッとします。
告知はされていましたが、ジャケット紙質が大幅に違います。
ザラッとしたジーンズのような風合いに仕上げてあります。
※旧盤はツルツルの一般的なレコードジャケットです。
ジャケット裏面も変更がなされています。
価格表示などが無くなり、よりアートワークが際立つようになっています。
ジャケットから価格表記やバーコードが無くなった為に、それらはシールとして封入。
このシール勿体なくて使えません。
ライナーノーツを兼ねたレコード収納袋は、厚紙になり質感がアップ。
実はこのアルバム3枚買いました。
一番初めに届いたのは、渋谷のレコ屋マンハッタンレコード。
明日、HMVで買ったのが1枚とタワーレコ―ドで買った1枚が到着予定です。
(聞くよう、飾る用、保存用)
最後に!
こんな素晴らしレコードが再び世に出て、沢山の人が買っている。
こんな、日本はまだまだ捨てた物では無いと思いました。
ありがとう「小沢くん」