【ほぼネタバレ無し】君たちはどう生きるか (過去の名作を例にまとめてみた。)

君たちはどう生きるのか

2023年7月14日に公開された、宮崎駿監督作『君たちはどう生きるか』
公開当日に朝一番で劇場に足を運びましたので、ネタバレ無しでまとめてみました。

2013年『風立ちぬ』が公開され、引退を表明した宮崎駿監督、しかし2017年2月にプロデューサーの鈴木敏夫が新作長編映画を製作中である事を発表しました。
NHKのドキュメンタリーでは、一部制作スタジオが公開されました。
※完全にモザイクがかかっていて、内容は不明です。

その際に、鈴木敏夫は以下のように語っていたと記憶しています。
宮崎駿監督は、締切を守る人でそれを設定すると、その枠内で作品を作る。
(高畑勲監督と真逆ですね。)

そこで、その枠を外して思う存分(満足するまで)作りこんだ作品を作ってもらい、それを観てみたいと語っていました。
結果、約6年で劇場公開されました。

それからも徹底した情報統制がしから、なんと劇場公開までポスター1枚しか情報がないという異例の公開となります。
(原作・脚本・監督)宮崎駿
(作画監督)本田雄
(美術監督)武重洋二
(音楽)久石譲
(主題歌)米津玄師『地球儀』
(製作スタジオジブリプロデューサー)鈴木敏夫

主題歌については同年6月28日行われたライブに宮崎駿・鈴木敏夫から贈られた花輪があったために主題歌は米津玄師ではSNS上で話題となりました。

声優は豪華俳優人が担当しています。
木村拓哉の起用はジブリ公式LINEで示唆がありました。
(牧眞人 )山時聡真
菅田将暉
柴咲コウ
あいみょん
木村佳乃
木村拓哉(特別出演)
竹下景子
風吹ジュン
阿川佐和子
滝沢カレン
大竹しのぶ
國村隼
小林薫
火野正平

映画の時代背景は終戦間近の日本。
本土で都市部で空襲があり、疎開しているように伺えました。
1994年頃と想像します。
(風立ちぬ感)

映画は、宮崎駿監督の全部入り!!
最初の40分くらいは、人物を描き伏線を張り巡らせます。
ゆったりとした展開です。
この辺りの人物描写は実に秀逸です、各々の心の繊細な動きを微かな表情の違いや動作など映像表現で語られます。(セリフに依存していません)

それを過ぎた辺りから、物語はパラレルワールドへ!?
『千と千尋の神隠し』の神秘性。
海原電鉄のような心象風景とめくるめくイメージの連続。
日本(東洋)的な不思議の世界を体験できます。

『天空の城ラピュタ』『未来少年コナン』のようなアクション!
手に汗にぎる爽快でテンポの良いアクションが連続します。

魅力的なドーラのようなキャラクターも登場します。

『まっくろくろすけ』を超える、超可愛いキャラも登場します。

可愛いキャラクターから、怖いキャラクター、自分勝手なキャラクター、、、、
それぞれが、しっかり行動原理を持ち、動いています。
どのキャラクター視点でも、物語は成立すると思います。

『ハウルの動く城』のような星や魔術表現。

もちろん、本作は過去作のセルフオマージュではなく、新しい切り口が散りばめられています。
どのシーンを見ても素晴らしいと思えるし、1秒の無駄の無い作品です。

そして、極上の映画体験の先に訪れる、想像だにしなかったシーン。
それは、真っ直ぐに観客を見て、語りかける『宮崎駿監督』本人に見えました。
そして、大団円で幕を下ろす。

総評すると『宮崎駿監督』本人の自伝にも見える、宮崎駿という人全部入りの「引退」とという言葉に相応しい大傑作でした!

本当に沢山の良質なアニメをありがとうございました!!
絶対に見て損しない映画だと思います。
そして、プロモーション無しで制作費に全振りした映画。。。。
この試み!!!
映画のヒットを願って止みません。

 

(追記)サウンド面

視聴した環境は、イオンシネマULTILA、ソースDTS:X、Vsoundシート。
映画が始まった瞬間、突然のサイレン・爆発音。
Vsoundシートの振動と情報量の多い重低音!!!!
一気に現実世界から映画の世界に持っていかれました。
サウンド効果も抜群で風の音は館内を周り、SEの移動感も抜群でした。
これをミックスした編集の人やばいです!!
全体的なバランスも良く、物語に割って入るようなサウンドデザインは皆無。
実に丁度よく纏まっていました。
疾走するシーンでは見事に風を感じる事ができるし、情緒的なシーンでは適度なBGMとセンタースピーカーからのセリフも明瞭で聞き取りやすかったです。
それら、寸分の隙の無い音が作品に凄く貢献していました。

できれば、音場にこだわっているシアターで見る事をオススメします。

 

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