日常を冒険に変ええるイマジネーション、頭15分で常識を変える傑作アニメーション。ホーホケキョとなりの山田くん

スタジオジブリ

押し寄せて来るイマジネーションに波!
もし劇場で見るなら、この十数分にお金を払っても惜しくないと心底思いました。

ホーホケキョとなりの山田くんは、1999年に公開された高畑勲監督の作品。
原作は、朝日新聞で連載中ぼ「ののちゃん」と「となりの山田くん」の2つの4コマ漫画です。
水彩画タッチで描かれえた物語が展開していきます。

また、この作品はニューヨーク近代美術館でジブリ作品の上映会があった際に(もののけ姫、千と千尋の神隠し、火垂るの墓なども上映)唯一、永久保存作品に加えらました。
その優れた色彩感や作品で語られる日本の家族観は海外に出ても評価される物でした。

作品では、普段の日常から空を飛ぶカットに展開させたりする空想的なシーンが多数出てきます。
これは、私がジブリ美術館上映作品で一番好きな作品「くじらとり」に通じるものがあります。

くじらとりは2001年10月1日よりジブリ美術館で公開されている、宮崎駿監督作品です。

原作は「いやいやえん」中川李枝子著

幼稚園の遊具で遊んでいる子供達の想像でくじらを取りに行くというお話です。
園の遊び場が水で満たされ海なって行くなど、現実と非現実が交錯するシーン展開の仕方が凄く似ています。
宮崎駿監督が何らかの影響を受けたかは定かではありませんが、、、

話を元に戻します。

この映画の公開とよく似た時期に公開されたいた作品は劇場版エヴァンゲリオン、もののけ姫。
バブル崩壊で経済状況も悪く将来への展望も見いだせない時代でした。
「みんな死んでしまえばいいのに」「生きろ」、、、
このような、否定的な言葉や生々しい鮮烈なキャッチコピーが登場しました。

この作品は、それらへのアンチテーゼ!?
公開当時のキャッチはなんと「適当」。
適当ですよ!
凄くないですか!?

劇中では、適当に力を抜いた家族の日常が実に明るく、可笑しく、切なく、幸せに描かれています。

冒頭、仲人の挨拶がが続く中、それに沿ったイメージが連続していきます。
仲人役のミヤコ蝶々のナレーションも絶妙で、味があってなんとも言えません。

結婚式のシーンからナレーションに乗って、ボブスレー、深海、嵐の海原、海賊船、田園、昔話の世界と溢れ出すイメージが展開されていきます。
しかも超一級品の水彩アニメです!
カットのつなぎ目が無く、絵で 絵を塗り替えていくような演出。
しかも、それが非常に自然でカットがいつ変わったのかさえ分かりません。
こんな、凄いアニメのオープニングがあったでしょうか?

恐らく、この作品しか無いと思います。

同監督作品の「かぐや姫の物語」も素晴らしいですが、全部入りのオープニングはこちらが上だと思います。
本当にこの数十分を見るだけでも価値があります!!

水彩タッチで雰囲気は「かぐや姫の物語」

映画の中では、会話の絶妙の間でクスッとするシーンが続きます。
また、矢野顕子の音楽も素晴らしく特に主題歌「ひとりぼっつちはやめた」や「ケ・セラ・セラ」の劇中での使用は効果的。

♪ケ・セラ・セラ なるようになる

未来は見えない お楽しみ ケ・セラ・セラ ♪

誰もが、肩ひじ張らずに自然に楽しめる作品に仕上がっています。

素晴らしい作品なので、子供にも大人にもぜひ見て欲しいです。

そして、諸事情あると思いますが、是非テレビで放映して欲しいです。

興行的には失敗して知名度が低い作品になっていますが、SNSやブログ、ウェブメディアが発展した現在ならきっと再評価される作品です。

そして、粘りに粘ってこの作品を作ってくれた故高畑勲監督に心からの敬意と感謝を伝えたいです。
金銭面で監督をサポートしたスタジオジブリ、鈴木敏夫プロデューサー、宮崎駿監督、次回作品の制作を支援した日本テレビ会長 氏家齊一郎氏にも心からの感謝の念をお伝えしたいです。

元気が無い時、ひとりぼっちな時、ちょっと不安で眠れない夜、、、
ぜひ、この作品を見て欲しいです!

こんな家族は、今の日本にも結構いるんだよ!

2019年12月31日、年が変わるこの日に、この作品と再び向き合えた事に感謝します。

2020年この家族のように自然体で笑って過ごして行こうと強く思います!

 

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